おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

優しい世界のためには厳しさが必要

当事者にならないと人の痛みは分からないことが多い。

このような訓練?経験を強制させることに賛否あるだろうが、優しい世界のためには厳しさが必要だ。

傷ついたことがない人間は傷を負った人の辛さが分からない。

自分が来た道は困難だが越えられるものだった、と思い、他人が困難を越えられないのは単に努力不足だと論う。

 

自分を甘やかしていると、人には厳しくなってしまうのだろう。

あなたは自転車に幅寄せするバスの運転手になっていないだろうか?

地位や年齢という神輿に乗って他人を見下していないだろうか?

 

自分の環境を一度見直してみるのがいいだろう。そして少し厳しい世界に旅立とう。

犯罪はしない方がいい

さもありなん、である。

よく海外ドラマでも、FBIとかが全ての電話を傍受しているシーンが出てくるが、今回の大谷・水原氏の事件でも全ての電話ログに当たったようだ。

www.yomiuri.co.jp

とにかくアメリカ、いや、ほとんどの国はルールに厳しい。

日本は浪花節的御涙頂戴で許されることもあるが、そのつもりでいると痛い目に合う。

 

学生ビザなのに働いて、現金で給料もらっていたらバレないだろう、とか、

夜中に立ちションしてもいいだろう、とか

お酒持ち込み禁止だから水筒に入れておこう、とか

 

甘い考えでいてはいけない。

 

日本でも本当は同じである。

私が組織の上長になった際には必ず部下に伝える3つのことがあり、その1つが

「犯罪をしてはいけない」

だ。

「いやそんなやつおらんやろ!」と思うかもしれないが、普通に会社で働いているだけで犯罪の誘惑は普通にある。

私はIT会社で働いていることが多いが、ちょっとした開発案件を委託する、という時に、キックバックをもらったり、ダミー会社にお金を流したり、なんてことはやろうと思ったら簡単にできるだろう。

これをしてしまうともう庇いきれない。

仕事をサボったりとか、ミスをしたりとか、やる気がないとか、そんなものはいくらでも庇えるしサポートできるのだが、犯罪はダメだ。

もうお上の手に引き渡すしかなくなる。

 

ホリエモン氏も逮捕歴があるのでアメリ渡航時にESTAが使えない、いちいちアメリカ大使館にVISAを貰いに行かないといけないと嘆いていた。

これは統計的な話で、なるべく危険分子を弾きたい、と思ったら、見るべき属性というものがあり、その1つが逮捕歴なのだ。

 

オレオレ詐欺の受け子や売春、あるいは自動車の運転に対するあれこれ(無免許、飲酒、いねむりなど)、手の染めやすい犯罪というのは巷に溢れているが、少しも道を踏み外すことなく生きていくべきだ。

世の中には後戻りできないこともある、と学んで初めて大人になれる。

ごくごく当たり前の「犯罪はしない方がいい」、そんなことを声を大にして言いたい。特に自分の身近な人には。

プロスペクト理論を自分にも当てはめる

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24億ちょろまかしていた、という報道が話題だが、やはりそうなるよな、という感想。

経理が不正をしやすいのと一緒で、自分でどうにかできるお金は自分のものと勘違いしてしまう。

借金をしたことがある人が、「借金して現金を持っていると、まるで自分のお金かのように思う」と言っているのと同じだ。

100万円借金できるというのは、自分のお金が100万あるのと同じ。

私だってローンを組んでマンションを買いたいけど買えていない今の状況は「損」だと思っている。

 

自分が持っていると本能では感じているのに、使わないのは難しい。

持っているものを失うというのが一番ダメージがでかいのはプロスペクト理論でよく説明してされる。

 

ja.wikipedia.org

 

認知の不協和なのだが、本当に陥りやすい罠だと認識しておこう。

 

いわゆる逃した魚は大きい、というのも同じだろう。

売った株が値上がりしたら悔やみ続ける。本来ならこんなに儲かっていたはずなのに!と。まるで自分のお金を掠め取られたよう。

 

この罠に嵌まらないためには、客観的な視点が必要となる。

自分を俯瞰で眺めてみて、「それはおかしい」と気づけるようにならなくてはいけない。

給食費や修学旅行費を使い込もうとしている教師が「今お金持ってるんだよね」と言ってきても、ほとんどの人が「それはあなたのお金じゃない!」と冷静に判断できるだろう。出来ないのは本人のみだ。

 

有名な(そしていわくつきの)マシュマロ実験で私が好きなのは、マシュマロを食べないようにする工夫だ。目を閉じたり、他の遊びに夢中になってマシュマロから自分を遠ざける。そうした子どもたちはマシュマロをとっておくことができる。

 

自分のお金じゃないものは遠ざけよう。あるいは衆人環視のもと管理する。

意思の力でなく「手段」を使うべきだ。

 

誰かに胸を張れない人生を送らないために、自分で自分のことを嫌いにならないために、守らなければいけないものが、ある。

 

インフルエンサーの防御力

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FTXの広告塔にならないか?という100億ドルのオファーがあっても、弁護士に相談して、結果受けないという判断をしたテイラースイフト

巷では草IPOの広告塔になった芸能人が叩かれていたりするが、自分の影響力がどこから来ているのか?と考えた時に、evilにならない選択肢を取るというのは当たり前に見えるが実際は難しい。

お金というのは増えれば増えるほど楽しい。

RPGでどんどんステータスを上げたくなるのと同じ。

しかもオフラインのRPGと違って、ボスが倒せたら、カンストしたら、という終わりがないオンラインRPGのようなもので、いくらでも自分よりゴールドを持っている人はいるし、ゴールドの使い道もどんどん作られる。

ほとんどのお金持ちがお金を増やすことをやめられないのだから、お金持ちでない人間がお金を貰わないという選択肢を取ることは容易くないのが分かる。

 

しかし、戦闘で勝つのではなく、戦争で勝たなくてはいけない。

 

お金で何か大事なものを失うのではないか?とディールの前によくよく考えてみないといけない。

お金を出すというのはそれなりの理由があるものだ。

分不相応な報酬がある場合、色々と考えてみなくてはいけない。

それが自衛である。

攻撃しか考えない者はすぐに破れる。

防御力を上げていくことも重要だ。

 

テイラースイフトはさすが、稀代のカリスマになっただけはある。

ほとんどのことは「理解したつもり」になっている

自分ではなんとなく理解したつもりになっていることでも、人に説明したりすると途端に詰まったりする。

これはほとんどのことについてそうで、いかに自分できちんと考えていないかが浮き彫りとなる。

曖昧なままにしたくない知識があれば、それはしっかりと努力して理解する必要がある。

世に言うファインマンテクニックはやはり効果的だ。

 

studyhacker.net

 

人に説明できて初めてしっかりと理解できていると言える。

 

白紙を用意して、知識を深めたいテーマを書く
テーマについて知っていることを、人に説明するつもりで書く
うまく説明できなかった部分を、調べて書き足す
できあがった説明文を読み、さらに簡単な言葉に書き直す

 

これは何も知識だけでなく、自分の考え、思い、人に対する感情なども、文章にしてみると、今まで自分でも気付いていなかったことに気付けることがある。

 

あるいは大事なこと、忘れてはいけないこと、これらもちゃんと文章にしておくのが良い。

ふわっとした知識というのはいずれ消え去ってしまうものである。

物事の道理から理解して、そこに

「知らなかった!」「びっくり!」「なるほど~おもしろい!」など、知的好奇心から来るポジティブな感情をもつ

ことが出来たらなお良い。あなたの血肉となり、忘れることが難しい知識となるだろう。

 

例えば人と何か約束をして、その約束自体を覚えていることももちろん大事だが、その約束が何を意図しているか、相手や自分にとってどんな意味があるのか、人類史という観点から見ての意義、異文化ではどういう価値観を持つかなど、Deep Diveしてみると、今まで見えていなかったものが見えてくるだろう。

 

そんな風に物事と向き合うことが年に3度ぐらいは必要な気がする。

相手にとって価値があがれば守らざるを得ない

長く使わせてもらっていた公的施設で、管理者が変わったら、色々難癖つけられて対応が厳しくなった事があった。どうしたものかと悩んでいたら、とある方が「まずはそこの上位組織に手紙ですね」という。「クレームを送るのですか?」と聞いたら「いや逆です、まずは感謝を送ります。どれだけお世話になっているか、どれだけ多くの人に役立っているかについて大袈裟に感謝を伝えるのです。
そうすることで上位組織やその管理者に自分が関わっている仕事に価値があると思わせる事ができ、管理者にとって価値が上がれば、相手に失うと困るものができあがります。

面白い。

クレームを送るのはいつでもできる。その手前にも出来るアクションがある、というだけでも優れた手段である。

価値があるほど手放しにくい。

これを持っていることで自分が評価してもらえる、などという状況になったら尚更である。

 

ダークアーツと呼ばれる類のものかもしれないが、ちょっとだけ自分の意思を通しやすくなり、相手も価値を改めて認めれるというWIN-WIN関係の構築とも言えるかもしれない。

 

まずは価値を上げる、というのは普段のコミュニケーションでももちろん有効だろう。

TVに出たら普段は没交渉の旧知の人からも連絡が来るという。TVに出ることであなたの価値が上がった。

もちろん会社で出世して、給与やステータスが上がれば、会社関係のみならず、家族関係、友人関係でも一目置かれるかもしれない。

あなたを軽んじていた相手も、難関資格を取ったといえば見る目が変わるだろう。

 

結局人間はメリットデメリットで生きているのだ。

相手デメリットを突きつける前に、メリットを与える。

何か交渉をしたい時、相手から好感を得たい時、思い返してみよう。

 

PREP、OREOで話し上手になる

上手に話しをしたいならフレームワークを使ってみるのもおすすめだ。

 

話しをする、という点においてトレーニングをしている人は少ない。

だからこそ少しの努力をするだけで、他の人よりも話し上手に慣れるだろう。

 

そのために参考になりそうな手法が2つある。PREP法、OREO法である。

 

世にいうPREP法とは

Point (要点):結論や主張を伝えます。
Reason (理由):結論に至った理由や主張の根拠を説明します。
Example (具体例):理由を補強するための事例やデータを提示します。

という構成になっている。

まず、結論から伝える。そしてその根拠を説明し、具体例を示し、最後にまた結論を伝える。

わかりやすい説明の構成を作るためのモデルであり、この法則を使うと、聞き手にストレスをかけず、不要なやりとりを減らし、自分の考えを整理する習慣が身につく・・と言われている。

 

OREO法とは

O (Opinion, 意見):自分の意見や立場を明確に述べます。
R (Reason, 理由):意見に至った理由や根拠を説明します。
E (Example, 具体例):理由を補強するための事例やデータを提示します。
O (Opinion, 再確認):最後に再度自分の意見を繰り返します。

まあ、PREPと一緒ですな。

 

どちらも意図しているのは、やたらめったら思いついたことを話すのでなく、ちゃんとフレームワークに則って話すということ。

それを繰り返すうちに、あまり考えなくてもちゃんと話ながら構成が出来てくる。

自転車の補助輪がいらなくなるように、マニュアル車の運転に慣れるように、スポーツで体が

勝手に動くように。

慣れるためにはまず考えるということが大事だ。

そして一度話したことを、「こういう構成の方が良かったか」と復習することも有用だ。

 

私は歯のクリーニングを定期的にした方がいい、という意見を持っている。

これをOREO法で説明するとこんな感じだ。

 

【意見】 歯のクリーニングを定期的にした方がいい。

【理由】 なぜなら健康に繋がるからだ。

【具体例】 たとえば、歯のクリーニングを怠ると歯垢や歯石がたまり、歯周病や虫歯のリスクが高まる。定期的なクリーニングでこれらの問題を予防し、口腔健康を維持できる。

【再確認】 歯のクリーニングは健康にとって重要なステップです。

 

これはそもそも分かりやすい例かもしれないが、歯のクリーニングでなく、もっと難しい事象であれば、理由がないと受け手側が「?」となったりするのが分かるだろうか。

自分では分かっているつもりのことでも、そのまま話しが通じるとは限らない。そんなことが出来るだけ起きないようにするのが構成の力である。

 

文章を書く際にもこういった手法を使って見直してみよう。