おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

相手にとって価値があがれば守らざるを得ない

長く使わせてもらっていた公的施設で、管理者が変わったら、色々難癖つけられて対応が厳しくなった事があった。どうしたものかと悩んでいたら、とある方が「まずはそこの上位組織に手紙ですね」という。「クレームを送るのですか?」と聞いたら「いや逆です、まずは感謝を送ります。どれだけお世話になっているか、どれだけ多くの人に役立っているかについて大袈裟に感謝を伝えるのです。
そうすることで上位組織やその管理者に自分が関わっている仕事に価値があると思わせる事ができ、管理者にとって価値が上がれば、相手に失うと困るものができあがります。

面白い。

クレームを送るのはいつでもできる。その手前にも出来るアクションがある、というだけでも優れた手段である。

価値があるほど手放しにくい。

これを持っていることで自分が評価してもらえる、などという状況になったら尚更である。

 

ダークアーツと呼ばれる類のものかもしれないが、ちょっとだけ自分の意思を通しやすくなり、相手も価値を改めて認めれるというWIN-WIN関係の構築とも言えるかもしれない。

 

まずは価値を上げる、というのは普段のコミュニケーションでももちろん有効だろう。

TVに出たら普段は没交渉の旧知の人からも連絡が来るという。TVに出ることであなたの価値が上がった。

もちろん会社で出世して、給与やステータスが上がれば、会社関係のみならず、家族関係、友人関係でも一目置かれるかもしれない。

あなたを軽んじていた相手も、難関資格を取ったといえば見る目が変わるだろう。

 

結局人間はメリットデメリットで生きているのだ。

相手デメリットを突きつける前に、メリットを与える。

何か交渉をしたい時、相手から好感を得たい時、思い返してみよう。