おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

前世の話

前世の話とはいっても、私の前世がどこそこの武将だったとかそういう話ではない。

前世とか来世とか真剣に話をしている人を見ると笑ってしまうぐらいのニヒリズムは持ち合わせているし、正直真面目に語ることもできないぐらい苦手な内容ではある。

「来世なんて無いんだよ」

と言いたいところだが、別に説教をしたいわけでもなく、説得したいわけでもない。

常々言っているように、相手をコントロールしたくはない。

 

だが思考実験として、あなたの立場になって考えてみようじゃないか。

来世では美人に生まれてきたい、美男に生まれてきたいという人はよくいるし、身近にもいた。もちろん冗談99%で言っているのだろうが、本気が1%紛れていたり、あるいは本気しかない、そんな人もいるだろう。

 

だが、次は美人に生まれたい!と思って、それが叶ったとしたら。

今生のあなたは「こういう人間になりたい!」と望まれて、そうして生まれてきたのではないか?

前世のあなたは、美人であってもとくに幸せではなかった。そこで気付きを得て、今度は美人でなくてもこういう人になりたい、そう思って生まれてきたがあなたなのではないだろうか。

 

君の考えが間違っているとかそういう話をしたいのではない。君を俺の考えに染めてやろうという話でもない。

私の愛するあなた、君自身の今を大事にして欲しいという話である。