おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

外あたりは良い人の話

あなたの社内にもそういう人物がいないだろうか。良い兄貴(姉貴?)然としていて、外面はいいが、社内では思いやりのない言動が多く、嫌われている。

同じ部署でなくても、社内の人間であればこういった人柄というのは噂として伝わっていて、知らぬは本人ばかりなり、ということが多い。

これは何も人物だけでなく、法人格にも当てはまると思う。みんな慕ってますよ、という体で広告展開し、社内はブラック状態、疲弊した社員が次から次へと辞めていく。あるあるだとは思うが、この二律背反な状態にみんなどう折り合いをつけているのだろうか?

東大生の就職先として楽天が人気らしいが、楽天に入って喜び組的な存在を見たらどう感じるのだろうか。社会ってそういうもの、と自分に折り合いをつけるのだろうか。(私は折り合える人間です😂)

まあほとんどの人は楽天に良いイメージを持ってないからいいとして……。

 

結局のところ現実はパワーゲームであり、人の行動というのは予測がつきやすい。ある程度権力を持っている人や会社が踏み込みがちな陥穽があり、歪みやすい認知があるのだ。

最近はそんなパワーを持った人も、ウェインスタインやジョン・ラセターの例にあるように、想定よりも人生が辛く厳しいものになってしまう可能性も高くなってきたが、それでもまだまだそういった人のほうが人生を謳歌しやすいだろう。

 

そんなパワーは持たない市井の人々は矛盾を抱えたまま、社会と折り合って生きている。たとえばGoogleだったら、don't be evilなどといっても広告の会社なんだからお客様の情報で商売してますぜ、ゲヘヘ、という気持ちは全社員が持っているだろうし、Facebookなんて色々叩かれているが、そもそも学内の美人不美人を投票するようなゲスサイトなのだから、そういうものだと誰もが分かっているだろう。

メルカリの中に「ソーシャルゲームなんて社会悪だ!」と思う人がいたら、Zyngaにバイアウトした起業家を糾弾して磔にするべきだろう。

でも折り合いつけたらいいじゃないの。社会というのはそういうものなのだから。

 

ただ、ありもしないビジョンを掲げられて、みんなが夢を持って入った会社が実はそういう矛盾した会社だった、というのを知った人たちのメンタルを思うと、同情を禁じ得ないのである。

最近で言うとアイドル(女性男性問わず)の恋愛や結婚のスキャンダルも同じ問題かもしれない。最初から言っておいて欲しいよね。アイドルといっても、もちろん人間ですから、ご飯を食べて糞をして、寂しい時はぬくもりが欲しくなり、楽しい時は歌う、そういう人間なんですよ、と。水をワインに変えたりするような超人ではありません、と。

それに気づかなかったからといって「世間知らずだねえ」と腐すのは、この広い宇宙の中で人間が存在する意味なんてないんだよ、世間(宇宙)知らずだねえ、というようなものではないか。

みんな仲良く生きていこう。