これに藤本は、自分たちも頑張っていることを言っていく必要があるとし、子供達に手伝いを頼んだ際に「やだ、なんで僕が?」と断られた時に言う言葉を紹介。
それが「え?私、毎日やってますよ?そんなこと言ったら、私も自分のだけやりますけど、いいですか?」という言葉。これを言われると子供達は「いきます」とイヤイヤながらも、手伝いをしてくれるという。
「じゃあ私は頑張ってないんですか?頑張らなくていいってことですね?って」と、ママの頑張りをきちん伝える必要があると主張。子供達についても「わがままを言えば、言うことを聞いてもらえると思ってるから、わがままを言ったときこそ、言うことはきかないよ」とも助言していた。
ママでもパパでも部下でも上司でもはたまた友人知人であっても不特定多数の人相手であったとしても、自分の努力というのは伝えなければいけない。
自分の努力なんて言わないと全く伝わらない。
ITパスポートを取るために毎日勉強しました!
という人に対して東大卒の人が「それって勉強?」と聞くようなものだ。
自分ができることは他の人も出来て当たり前。
寿司屋の大将が飾り包丁を入れているのを4歳の子供が気付くわけもなく。
出てきたものを食べさせられてるだけでは、カレーも仕込みの必要な寿司も同じレベルである。
以前カレー曜日の話を書いた。
土曜日はいつもカレー曜日、としていたのに突然シチューを出したら子供たちは暴動を起こす。
「作ってもらっておいてなんなの!」
と怒りたい気持ちは分かるが、怒った相手が「そうだよね。ママごめん。いつもありがとう」とはあまりならない。俺のカレーを奪いやがって!という気持ちになるのである。
他人を変えるのでなく、自分を変えなくてはいけない。
普段から、あんたたちはカレーが好きなのか、カレーが出ることに感謝があるのか、と問わなければいけないし、(問う、問わないはあなたの選択肢だ)
相手が分かってくれない!と駄々をこねるのは大人がやることではない。
自分が努力を伝えきれてなかったということだ。
そしてそれが伝わるパスも考えておかねばならない。
伝わるべき人に伝わってないと意味がない。
誰かを介してしまうとどうしても意味・意図が伝わりにくいので、ちゃんと情報が伝達されているかを確認、もし出来ていなかったらコントロールしないといけない。
あなた→妻→義母などにちゃんと情報が伝わっているか?どこかで事実が歪められていないか。
あなた→人事→上長に会社の都合が入れられていないか、転職時などは特に確認しなければいけない。
自分の努力を伝える手法、これもまた考えていきたい。
とりあえず、よくある例としては
・数値を使う
これだけの時間を費やしてきました、という過程を話す。
あるいはこれだけの売上を上げました、という結果を話す。
ファクトとなる結果もさることながら、時間というリソースは何より貴重であり、結果より過程を重視できる環境にあればこれは必須の説明だろう。
次は
・説明責任を果たす
頑張りました!だけでは説得力がない。自分がやったことは全て伝えるつもりで説明したほうがよい。
「このキャンペーン、私がやりました」
ではなく、
「課題に取り組むために、データ分析を行い、市場の需要とトレンドを把握しました。そこから、ターゲット層に合わせた戦略を立て、効果的なマーケティングキャンペーンを展開しました」
あとは上記の具体的な説明を
・ストーリーで話す
というのが大事だろう。相手のことを考えて、どうすれば相手の記憶に残りやすいか、という手法をつきつめると、やはりそれはストーリーを持つのが良い。
よくストーリーの力を説明するテキストとして以下のようなものがある。
これは日本人男性に改変されているが、美女と飲んでいて目覚めたら氷風呂、電話して!というメッセージ、腎臓が抜かれている、というのは共通である。
一度読んだら忘れられないストーリーとして有名である。
人間はフィクションも共通認識として持てるのがすごい、というのはサピエンス全史にも載っているが、相手に自分ごととして努力を想像をしてもらうにはストーリーの力は大いに役に立つ。
自分の努力を伝える努力、頑張っていきたい。