山崎元さんの訃報を見た。
一般人並みの金融リテラシーの私でもお名前やご尊顔は何度も拝見した。
私がindex投資をしているのも山崎さんが遠因かもしれない。
皆それぞれ山崎さんの思い出を語られているが、なかでもこの記事は面白かった。
筆者は困った立場に立たされて、クビになるのは嫌だなあ、と心配したのですが、この時の三和総研の社長のMさんが偉い人でした。当時から、シンクタンクは、研究のトップである理事長と、経営のトップである社長を分けて置くのが一般的でしたが、Mさんは三和銀行から来た社長でした。
Mさんが、次のように言ったと、私は上司から聞きました。
「当社の研究員の発言は、研究員の専門性を背景に本人の責任で行われるものであって、親銀行の立場を考えて行うべきものではない。三和銀行には、俺が行って頭を下げて取りなしてくるから、本件の山崎については一切不問にせよ。当社は、そういう会社であるべきだ」。
ものごとは是々非々で進めるべきで、特に研究員が上司の顔色を伺う結果を出すようになったらだめだ。研究というのはそういった権力構造からはずれる必要がある。ご意見伺いをしなくてはいけない、あるいは「会社で生きるってことはどういうことか分かるよな?」というような上司からの圧力を感じて忖度するようになれば、事実すら言えなくなってしまう。
やはり会社は社長次第だなとも思う。社員の能力や特性を活かすも殺すも、そういったルールを敷衍する人のビジョンに左右される。