おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

ギブアンドテイクは難しい

ギブアンドテイクな関係が保てず、自分からテイクしていくばかりの人間とは付き合いたくないものだ。

しかし、純粋なギブアンドテイクというのは難しい。

 

私にとってとても魅力的な女性が、「東京初めて来ました」と言っていたら、案内するよ、と申し出るだろう。しかしその結果、その女性が何も私にギブしてくれないとしたら?

ギブアンドテイクが出来てない!と私は憤るだろうか。

だが、ちょっと待ってほしい。

これを書いているカフェの前の席にいる、私と同世代の男性がその話を聞いていて「お、いいですねえ。じつは私も東京初めてなんです」と言われたら、その男性を案内するだろうか?

しないだろう。

つまり、最初のギブが純粋なギブでない。ギブと一緒に何かをすでにテイクしてしまっている。

相手を選んでギブしていては、そこに純粋なギブアンドテイクを求めても無理がある。

私が「誰でも東京案内をする!」というのであれば、それは純粋なギブである。

しかし、そんなことはしないだろう。するのであればガイド料を取る。

これなら

 

案内⇔ガイド料

 

でギブアンドテイクがイコールのように見えるが、これはディールである。

 

会社で同僚の業務量が多くて残業になりそうだ、というときに、手伝ってあげた。
でも、その同僚が私の業務量が多い時にはさっさと帰ってしまう・・
ひどい!と思うのは当然の反応だ。
あなたはその同僚だけに限らず、同僚なら誰でも手伝うという気持ちがあるからだ。

しかし、自分が「いいな」「素敵だな」と思っている異性の同僚と、あわよくばもっと仲良くなりたいな、親密になれないかな、などと思っている同僚の仕事しか手伝わない、ということであれば、それは純粋なギブアンドテイクと呼べないだろう。

 

あなたが与えているギブは恩着せがましい、独りよがりのものになっていないだろうか?

落胆する前に一度考えてみよう。