私の母親は「延命治療はしないで欲しい」と常日頃言っている。
私含む子供たちも「よしまかせろ」とは言っているものの、実際その場面になったらどうなるかは怪しい。
最近聞いた話では、延命治療は本人のためにならない、と頭では分かっているのに、いざというとき延命治療をお願いしてしまうのはなぜか?というと
「えっ死んじゃうの?!早いよ!まだ親孝行ができてないのに〜!」
という心理から、というものがあった。
この記事にはその時が来るまで親と向き合えていないから、とある。
想像できる話だ。
いつまでも、あると思うな親と金
という言葉もあるが、人間なかなかそう上手くできていない。
問題に対処するためには何事にも準備が必要だ。
というわけもあり、母と旅行に行ってきた。
いざという時に後悔しないように、である。
母は苦労人であったのは間違いない。
私が幼いころに夫を亡くして、手に職もない学もない30代女性が子供を育てるために出来ることは限られている。母が選んだのは老人ホームでの介護職であった。
子どもの時は分からなくても、特別養護老人ホームでの仕事がどういう仕事か大人になった今では分かる。
再婚もせず、身を粉にして働いて子どもたちを育てあげた(?)母には、多少反りが合わないとしても尊敬しかない。
そんな母が臨終の時に後悔しないようにするには、生きているうちに色々しておくしかない。
今回で親孝行の1つにもなっただろうか?
一番の親孝行は「子供が人生を謳歌していること」だという。私も全く同意である。
今回の旅行は親孝行というよりも、自分の気持の整理、将来への準備のためだっただろう。
こんなに一緒に時間を過ごしたことは子供時代にもなかったように思う。
空港で何時間も飛行機を待っている間、普段しないような話もした。
元気そうでも「こういう時しんどいんだな」というのも分かった。
何に心を動かされるかというのも少し分かった気もする。
言葉とは裏腹に気を使う性格だなというのも新たに知れた一面である。
ただ、その時を待つよりも積極的に行動していかなくてはいけない。
感謝を伝えるよりも、私がどう人生を楽しんでいるか、それを知ってもらえたらと思う。
そう考えると後悔している場合じゃない。
過去を振り払って進め。