おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

人間は天才が好きという話

これまた何で聞いたか読んだか忘れましたが、人間は天才が好き、という話がありました。

イチローや羽生名人、もちろん大谷や藤井聡太でもいいのですが、天才として広く親しまれる人がいます。それ以外にも、自分ではとうてい及ばない実力を持った人のことを「あの人は天才だから」と評することはよくあります。

ただ、なぜ人を天才!と評価するのかというと、そういうことにしておいたほうが楽、だから人は天才が好き、ということでした。

天才と呼ばれる人は総じて努力をしていますよね。イチローや大谷はとにかく練習している、野球のことしか考えてない、と言われています。他の人もそれぐらい努力すれば、イチローにはなれなくとも、十二分に成長ができるはずなのですが、その努力をすることが難しいので、自分よりできる他人に「天才」というレッテルを貼る、と。そうすることで「あの人がすごいのは天才だからで、同じ努力をしたところで私が追いつける相手ではない」と努力しない自分を騙すことができる、というわけですね。本当はその天才と呼ばれる人と同じ量の努力をしていないのが、差がついている原因かもしれないのですが。

これはとても面白いバイアスですよね。人生を豊かに生きるためには、こういったバイアスの罠にはまらないことが大事です。

 

自分にその才能があるかどうかよりも、自分が努力を苦にしない何かを見つけることができれば良い、とはよく言われることです。

よく私も自分の仕事を「俺って天才だな」と振り返ることがありますが、(もちろんこれはジョークのつもりなのですが)そういった心構えは悪くないのかもしれません。

誰もが何かの天才であり、自他ともに褒めあっていたら幸せな世界なのじゃないかな、と思うのですよね。