元コンサルの回顧本に書いてあったんだけど、現場に数値目標を与えると、その数値目標は達成されるが数値化されてない部分が必ず失われる、とされてるんだよね。バスの定時発車率にインセンティブを与えたら確かに率は上がったけど、信号無視とかするようになった、とか例を挙げてた。 https://t.co/WN5QwqC0d1
— 林司@るーしゃんず (@Archangel_HT) 2024年5月6日
この手の話は大好物。
本当に重要なものは何か?という問いを繰り返さず、とってつけたような数値目標を設定すると、その数値を最適化することにインセンティブを与えてしまう。
スレには知っていたもの、知らなかったもの、いろいろな知見が集まっていてよかった。
GPA導入したら取る授業自体を減らすようになった大学生もこれだよなぁ。
GPAに悪い影響を与えそうな授業は取らないに限る。本当は成績に関係なくいろいろな授業に出て学べた方がいいのだが。
特許出願数をKPIにしたらクズ特許量産されて、押さえるべき部分が押さえられず単なる公開にしかならなかったとか。
だってその方が良い評価が取れるから・・
某ファストフードチェーンが注文から提供までの時間を数値目標にしたら、実際に顧客が受け取ってもいないのに該当するボタンだけ押して「受取済み」にする横着な事例が現場で頻発した、というヤツかな……
最近話題になりましたね。うちの近所のマックはこんなことしてなくてよかった。
不具合の発生報告に目標数値を与えたら意図して不具合を発生させて報告するマッチポンプが増えたとかもありますね〜
検挙件数に目標数値を与えると冤罪を増やすようになるとかもありますしね〜
不具合を自分で作ればいいんだ!というエポックメイキング。起業家精神。
毒蛇を捕まえてきたら報奨金、というのは広く知れ渡ったアンチパターン。
これの1番悲惨な例が国内のありとあらゆる工場の数値目標を「生産トン数」に設定したソ連。結果、軽量化へのイノベーションがさっぱり生まれなかった。
逆に重い方が得するという。コードの行数で評価されたら無駄なコメントいっぱい書きそう。
同書では、運転手がバス停で待つ客を無視して走り去ってしまう例のほか、郵便局で配達の総処理時間に目標と設定したところ、未配達の郵便物を隠してしまうようになった例なども紹介されておりましたっけ
遠い配達物は捨てる方がお得というハック術。
この手のエピソードで好きなのは、死海文書の発掘の時、現地の作業員に「断片一つにつきいくら」って報酬設定したら、大きな断片見つけると細かく分割して持ってくるようになったって話ですね
お札を千切っても金額は増えないが、ここに錬金術があった。
逆の事例が「いじめ報告を教師の給与査定のマイナス評価にしない」としたら翌年にいじめ報告が14倍に増えた那覇市の小学校
いじめがあっては困る人。
本当は組織にとって一番良い、と思う行動ができ、それを正当に評価できたらいいのだが。
なのでこれは基本的にマネージャー層の問題。
プレイングマネージャーや現場の仕事ができるから昇進、となったマネージャーでは解決が難しい・・と考えております。