おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

自分以外の誰かになろうとすると厳しい人生になる

 

自分を誰かと比べて「普通じゃない」などと評すると、途端に人生が厳しくなる。なぜなら幻、夢想と戦っているからだ。それは勝ち目のない戦いである。そんなところに戦費を使っていると、人生という名の戦争では分が悪くなるのは間違いない。

 

まず知るべきは「普通なんてない」ということ。

そして「人と比べても仕方ない」ということ。

最後に「誰かにはなれない」ということだ。

 

30〜35歳で身長170cmで大学卒で年収500万以上で長男じゃなくて親の介護が必要なくて転勤もなくて女性の扱いもうまく割り勘じゃない男性を探そうとすると婚活は詰む。

これぐらい普通でしょ、という条件をandで集めまくると一気にレアな存在になってしまう、というのはよく考えれば誰でも分かること。

つまりみんな普通じゃないし、自分も普通じゃない。

健康についても何にも健康不安がない、なんて人はいない。

「自分が普通じゃない」のではなく、「普通の人なんていない」だ。

 

そしてみんな持っている能力や資質や環境、時代は、それぞれ違う。

一人として同じ人間は存在しないのだから当然だ。

なので誰かと自分を比べても仕方ない。

比べるべき唯一の人は過去の自分だけだ。

過去の自分は確かに存在するし、目標が達成できたかどうかの良い指標となってくれるだろう。

他の誰かと競ったところで、一体それが何になるのか?

「ひどいあの人」「羨ましいあの人」「目標のあの人」

そんな人がいても、その人が死んだらそれで終わりである。人間はいつか死ぬ。もちろんあなたが死んでも終わり。

そんな虚しい競争をして、あなたは一体何を得るのか?自分の人生だけを見つめていた方がより良い人生を送れる気はしないだろうか?

 

そしてあなたはあなたであり、誰かになることはできない。

自分以外の誰かになろうと、ハイブランドのファッションで身を包んだりタトゥーを入れたり金髪にしたり、高価な腕時計を身につけてみたり・・

憧れの人がしていることをすればあなたも憧れの人のようになれる・・というのは妄想だ。

これは誰しもかかる麻疹のようなもので、自分の理想と現実が折り合っていない時に出てくる病だ。みんな自分以外の誰か、他人になりたがる。

高い服を買ったらモテる気がする・・のだがそんなことは一切ない。モテる人が高い服を着ているのであり因果を間違えてはいけない。

それにもしあなたが無人島で一人で暮らしていたら、ハイブランドのファッションで身を包んだりタトゥーを入れたり金髪にしたり、高価な腕時計を身につけてみたり・・したいだろうか?

結局他人の目があるから、自分が劣っているのではないか、もし劣っているのだとしてもそう思われたくない、という虚栄心がそうさせてしまっている。

今でも未来でも、どこまでも持っていけるもの、友達と会う時も幼児のいとこに会う時も、アメリカに行く時もコンゴに行く時も、持って行くことのできるものが、あなたにとって大事なものではないだろうか。それは誠実さ、思いやり、信頼、そういったものである。

幼児に会う時に「ロレックスをつけていかなきゃ」と思う人物になっていないか、気をつけた方が良い。

 

あなたはあなた、自分だけの魅力を磨いていってほしい。