おねずみ三千世界

これより西方、十万億もの仏国土を過ぎて、世界があるが、それを名づけて極楽という。

【読んだよ】誰もが嘘をついている

なかなかおもしろかった。

しかし大半のメモを無くしてしまった。そのうち読み直して色々拾ってくるかも……しれない。

 

 

 

なかでもオバマのスピーチの話は面白かったので覚えている範囲で書いておく。

アメリカに蔓延るイスラム恐怖症を払拭するため、イスラム教徒をかばうスピーチをしたはずが逆効果であった。スピーチの内容の多くは、これからは多様性を重んじるとか、寛容が大事なんだとアメリカ人の良心に訴えるような内容であったらしい。
そのスピーチをメディアは素晴らしい、人類の宗教の垣根を超えた、これからのアメリカのへの適切なスピーチなど、称賛の嵐だった。が、Google検索を調べてみると、新たなヘイトも生み出している分かってしまった。これはそうなるだろう。特に理由なく「あの子たちは悪い子じゃないの。仲良くなりなさい。良い子になりなさい」と言われても反感を買うだけだろう。良い子は元々ケンカしないので。

しかし、このスピーチ以降に新しい傾向も見えた。

スピーチ中、オバマイスラム教徒も今は皆のスポーツ選手であり、国防を担う兵士である、という旨の発言をした。
そこから今まで全く検索ワードに現れなかった『イスラム スポーツ』がイスラム関連の検索ワードトップになった。
大統領府にもこういった分析をした人がいないのか、いたのか、あるいはこのことを取り上げた記事を読んだのか、二ヶ月後のスピーチでは内容がガラッと変わっていた。
寛容の価値を問うのではなく、聴衆の興味を唆るものになっていたとのこと。

 

この話はとても示唆に富む。

説教おじさんや武勇伝おじさんの話は退屈だが、その人の意外な一面を覗けるような話を聞くのは面白かったりする。

忘年会の隠し芸でとんでもない技を見せられて、その日から一躍大人気になるおじさんの話、よくありますよね。

本当に人を動かすにはそういったアピールが必要なんだ、と私は思います。

我笛吹けど踊らず。

そんな風に感じた時は、自分の発言を振り返ってみるのがいいかもしれません。