ライフスタイルからライフスタンスの時代へ、とは中川政七商店でよく言われてるやつである。
昔は、美味いコーヒーを飲もうと思ったら喫茶店に行っていた。
渋いマスターがサイフォンでコーヒーをコトコト淹れる。コーヒーというモノ・コトの消費の時代だ。
そこから、コーヒーの好事家たちは自分で豆を買って自宅でコーヒー豆を挽いて淹れられるようになった。またはブルーマウンテンなどの高級豆を使うお店にたまの贅沢で出かけてもいい。はたまた居心地の良い西海岸風カフェでMacを開いてドヤるのもいい。(ずっとmac派の私にはよくわからない世界観だが・・)
そういった自分のライフスタイルに沿った消費ができるようになった。
そして今はライフスタンスの時代。どこに行ってもサービスレベル、プロダクトレベルはあまり変わらないのだから、自分が応援したい企業、自分の姿勢と合った企業のものを買いたい。
例えば世の中の所得格差が問題だ、と思っているならば、コーヒー豆を買うのにもフェアトレードな豆を扱っているお店を探してそこから買う。
そういったことが出来るようになった。
BJ FOXというお笑い芸人でありPodcasterでもある人が興味深いことを言っておられた。
デカフェは妊婦に対する税金だ、と。
妊娠されている人は、カフェインが摂れないので、コーヒーを飲みたければデカフェを頼む必要がある。しかしどこのお店でもデカフェというのは普通のコーヒーと比べて高価格であったり、追加料金がかかる。
子を産む、というのは世の中にとって経済的にもポジティブなことのはずだが、実際に出産をする人からはよりお金を取る仕組みになっているぞ、と義憤にかられていた。
もしかしたらそのうちに「うちは妊婦の人にも、ミルクをあげているお母さんも、余計なお金を払ってほしくないので、デカフェでもソイでもアーモンドでも、追加料金はいただきません」というお店が出てくるかもしれない。
もちろんそのお店は追加料金を取らないぶんだけ利益は下がるだろうけど、そのスタンスを応援したい、という人が出てくるだろう。
私も行く。
そういう時代になってきたのだ。
世界は良い方向にも進んでいるのではないか。