経皮的、とは切開せずに、という意だろうか。
とりあえずカテーテルで心臓を焼いてきた。
そもそも不整脈があった。
何気ない時に、突然脈拍が早く、激しくなる。どうも心臓の中だけで血液が回っていて、体に血が通っていないような、そう感じる動悸であった。
中学生ぐらいからだから、自分の体とはそういうものだと思っていた。
発作が起きるのは1ヶ月に1度あるかないか。だが、その発作が起きたときはまともに歩くのも大変だし、立ちくらみにようになるし、なにより「このまま発作が続いたらどうなっちゃうんだろうか」という不安が強かった。
しかしたまーに起きる発作のため、健康診断ぐらいの心電図検査では何も引っかかることはない。(別件の入院で24時間心電図検査をしたときは多少不整脈だと言われたがこれは別原因?)
ちょうど発作が起きている時に検査をしないと全く・健康・だ!という感じなので、これは医者にも正確に症状を伝えられないし、治らないものかと思っていた。
しかし、歳を重ねるにつれ、「これ、今はいいけど、年取って体が弱ってきたらヤバいんじゃないだろうか。心不全とかになりかねない」という懸念が大きくなり、一念発起して心臓に強いという噂の病院に検査に行ってきた。
そうしたらあっさりと、「おそらく発作性上室性頻拍でしょうね」と診断される。実はあるあるな疾病だったのだ。
1000人に2,3人は持っているらしい。
心臓の正常な電気回路の他に副回路が出来てしまって、正常な回路→副回路と上室だけでぐるぐると電気刺激が回り続けてしまう。
症状として、動悸、立ちくらみ、発汗、 息切れ、胸痛などがあげられる。
全くその通り、というか常に悩んでいたものに言葉が与えられるだけで道が拓けるような感覚がある。
不整脈が生じている回路の違いによって色々対策はあるものの、基本的にはカテーテルでその余分な回路を焼き切る、というのが一般的な治療方法らしい。
でもどこにその回路があるかは分からないので、
・大腿静脈から検査用カテーテル入れる
・色々テストして(わざと不整脈を起こさせて!)その回路がどこにあるかを判別する。
・治療できそうだったら高周波カテーテルによる心筋焼灼術で焼灼!(かっこいい)
という流れで治療するとのこと。この焼却術をアブレーションと呼ぶ!というカッコ良すぎる名前の治療法であった。
そして上記の通り治療してきた。よくあるところに回路が出来ていて、何も問題なく治療できたらしい。
今もまだカテーテルを入れた鼠径部には違和感があるが、心臓を手術したのにすぐ健康体になれるのは本当素晴らしい。現代に生きてよかった。未来はもっとすごいのだろう。「え?ナノマシンじゃなくてカテーテルでやったの?!」とか言われるかもしれない。
先述したように、けっこうあるあるな症例らしいので、私の他にも悩んでいる人がいるかもしれないとブログに記した次第である。
もちろん手術を行うということはリスクもあるが、QoLの改善のためチャレンジする意義があった、と私は思う。