「あなたが私のことを好きでなくてもいいから、そばに置いてほしい」
そんなことを言われたら
「あらいいですね」
となってしまいそうになるが、これは結局のところ良い結末とならない確率のほうが多いだろう。
自分に都合よく使える相手がいる、ということは、自分がそういう人を都合よく扱ってしまう人間になる、ということである。自分がなりたい人間はそんな人格なのだろうか。少しは気心の知れた相手のことを自分と関わることで幸せにしたい、また自分も同時に幸せになりたいと思うなら、そういう環境に身をおかないことが大事だ。
結局片方が無理をしている関係はうまくいかない。相手が尽くしてくれる、と思ったらそこに甘えてしまうし、当たり前以上のことを普通に思ってしまう。
例えば、相手の仕事が忙しく、パートナーがずっと相手の食事の準備、片付けまでしているとしよう。もちろん出来る間はそれで上手くいくかもしれないが、体調が悪くなったり、パートナー側の仕事が忙しく、食事の準備ができないとなった時、いつもの生活、当たり前のことを奪われたように感じでしまう。
「なんでいつも出来ることが出来てないの?」「もう私のことを愛してないんだね」
いつものことが出来ないモドカシサ、不満が相手への怒りとなって爆発してしまう。それが客観的にみたら全然当たり前じゃなかったとしても、だ。
そうすると、大声を出したり、別れを切り出して脅したりなど、暴力的な方法で相手に言うことを聞かせて元の枠に収めたくなる。
人間とはそういうものである、という認識のもの、自分をそういう立場におかない、相手をそういう立場におかない、というのが関係構築の秘訣である、と私は思う。