さくらももこのエッセイが好きだった。
ふとしたきっかけで最近読み直したのだが、賀来千香子のお兄さんを自分の事務所にスカウトする、という話があった。
その際さくらももこは
「小さい事務所ですけど、もし私が死んだとしても、生誕祭、没後何周年などのイベントが出来るので将来は安泰です!」
のようなアピールをして誘っていた。
そしてさくらももこは急逝される。
賀来千香子のお兄さんがまだ勤めていらっしゃるかどうかは分からないが、実際にそういったイベントが行われているのを見ると、さくらももこは先見の明があったというか、自分の価値というのをよく理解されていたんだと思う。
自分が死んだら誰が困るか?というのを考えた時に、自分は困らない、という話があります。なぜならもう死んでるので困りようがない。ただ残された人々は困ります。そうすると畢竟人生というのは他人のために生きているのではないか。
エッセイとして面白おかしい本ではあるのですが、そういったことも考えさせられるものに偶然にも結果としてなっているのでした。
とにかくさくらももこのキャラクターが素敵なので、もものかんずめなど他のエッセイも女性に、特に「どう生きればいいのか?」などと肩を張った悩みを持っている方にオススメだと思います。