フューチャー・オブ・ワーク (Harvard business school press)
- 作者: トマス・W.マローン,高橋則明
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2004/09/28
- メディア: 単行本
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インターネットなどの発達によって組織構造が変わっていくよ、分散化しやすくなるよ、という本。
最近良い本でも読みにくい本は読みたくなくなってきたが、その代表格と言える。私の理解力が低いだけかもしれないのだが……。巻末だけ読めば十分かもしれない。
エゴブー
Linuxが例にあげられてます。
例えば多くのプログラマーは自分のプログラムがLinuxのシステムに採用されれば認められたと感じ、誇りに思う。それが彼らにとっては大切なのだ。技術の世界には、このことを表す単語さえある。エゴブーというのがそれだ。エゴブースト(自負心の高揚)を縮めたエゴブーとは、仕事うまくやって賞賛されることから得られる満足感をさす。もちろん、エゴブーはどんな仕事においてもモチベーションになるが、集中化された階層制組織の多くでは、その効力は過小評価されている。意思決定を委譲し人々の価値観を保証することにより、ゆるやかな階層制は、伝統的企業よりもはるかに大きな集団から、莫大な創造性とエネルギーを引き出すことができる。
伽藍とバザールとかでも出てくるLinuxは、やはり分散化組織の代表格ですね。本書ではLinuxをリーナス・トーヴァルズをトップとしつつも、決定権が非常に低い階層に委譲されている、「ゆるやかな階層制組織」だとされています。
AESの話
2人の創業者は楽しむために1番いい方法は、世界において真に重要なことに責任を持つことだ信じている。何かに対して責任を負えば、たいていは、それに愛情や頭脳や情熱を注ぐ。それはただ命令に従うだけでは決して起こらないことだ。
違いない。
1999年の終わりに、イギリスのドラックス石炭火力発電所を買い取ったときだった。だが、バッケは言う。「あの決定は私がしたのではない。入社2年にもならない、それまで私が会ったこともない社員が決定したのだ」この決定を行った若い社員は、会社中のあらゆる種類の人間からーーほとんどは電子メールでーーアドバイスを受け取った。だが、最終的に取引を行うかどうか、そして、提示額を決めたのは彼だったのである。
と、まあ事例もよく載っていて良い本だと思うのだが、面白い本とは言い難くお勧めはしない。