http://satoshi.blogs.com/life/2004/09/post.html
「オブジェクト指向ユーザーインターフェイス」の考え方とは、一口で言えば、文書ファイルや音楽ファイルといった対象物(オブジェクト)を先にユーザーに選択させることにより、実行できるメニューコマンド(編集する、印刷する、演奏する、など)の幅をせばめ、使いやすくしようという発想である。
ふむふむ。
例えば、ユーザーが文書ファイルを選択すれば、コマンドの選択枝はおのずと、「編集する」、「印刷する」などに絞られる。これが、音楽ファイルの場合は、コマンドの選択枝は、「演奏する」、「CDに転送する」となる。これを逆に、コマンドを先に選択させようとすると、「編集する」、「印刷する」、「演奏する」、「CDに転送する」、「撮影する」、「接続する」などの膨大なリストから選択させなければならず、使い勝手がずっと悪くなってしまう。
なるほどなーと思った。まさにWindowsだ。
この考え方を念頭においてみると、日本語はまさにオブジェクト指向である。テーブルの上の塩をとって欲しい場合、たいていの日本人は、「すいません、塩を...」まで言ったところで一呼吸置く。「塩」というオブジェクトを指定した時点で、「とって欲しい」ことは自明であり、ここまで言えば、99.9%の日本人は塩をとってくれる。
とか、
ちなみに、オブジェクト指向の話とは関係ないが、言語学者の金田一春彦氏によると、目上の人に塩をとって欲しい場合の、最も丁寧な言い方は、「すみません、それはお塩でしょうか?」だそうである(『日本語を反省して見ませんか』角川書店)。