ウッチャン好きとしては気になっていた本。
収録後に行われる反省会でも「おもしろかった」「特にあそこは良かったね」などの良かった点を、必ず内村から発するという。
大事ですね。良い点を褒めてもらって嬉しくない人はいない。ポジティブなフィードバックというのは人間関係の基礎。
明らかに今日は機嫌が悪いとか、話しかけづらいといった、そういった機嫌の変化みたいなものが一度もなかった。
上司がプライベートの出来事で不機嫌で話しかけづらいとしたら、それは問題だろう。まあ上司といっても人間なのでそういうこともあるだろうが、それは自分には気を使って欲しいが、相手には気を使いたくない、という幼児性の現れである。
内村さんが醸す、”面白い番組を作る”という絶対的な正義があるから、誰が何かをやりたいと思いついたときに、議論の余地がないんです。
ビジョンがハッキリとしているとぶれない。本書では下記のような例が挙げられている。
たとえばあなたがシステムを運用していたとする。一部を回収することで、多少煩雑な手続きは必要だが、より社員にとって快適かつ会社にさらに今期の目標達成に有用なものを提供できると考え、上司に提案をした際、「システムに疎い上層部に、複雑な説明をするのは避けたい。今のままでも問題はないのだから、そういう作業は必要ない」と戻されたら、どれほど虚しい気持ちに襲われるだろうか。
あるあるである。また、上司の海外出張の段取りを請け負ったとして、巧みにスケジュールを組んだあとで
「マイルを貯めたいから、航空会社を変えてくれ」
だの言われたら嫌気がさすだろう、という例もあった。これは個人的あるあるである(笑)
これも関係者の間では有名なエピソードではあるが、内村は現場で関わる様々なスタッフの「名前」を覚えて呼ぶ。
これはどれだけ陰で努力しているかが分かるエピソードだ。もちろん人の名前を聞いたら忘れない、などという特殊能力の持ち主ではあるまい。
見習わなくてはいけない。そのためにFacebookなどのSNSを活用するのもよいかもしれない。
コントの一貫で歌謡コンサートに飛び入りで参加する規格の際
会場の観客はほぼ全員、その歌手のキャラクターを誰も知らない、完全にアウェーな状況。ステージに上る前、袖で、内村は恐怖と緊張からえずきが止まらず、ハァハァ言いながらうろうろしていたという。
ウッチャンほどでもそうなるのだから、私達がそうなっても当然である。グループで仕事をするときに、そういう弱い人がいたらそうでもない人が逆に強くなるものである。
その場その場での役割があるのだ。それでいい。
20代のころは飲み会で誰とも話さず一人でジャンプを読んでいた、とか専門学校時代はお金がなくなるまでバイトも全然したくない、とかそんな若いときのエピソードに勇気付けられる人もいるのではないだろうか。私はバイトが決まらずに親にお金を無心していました(笑)
ウッチャン好きならほっこり読める良い本だと思います。